涸沢・奥穂高
雪だ! という声に目が覚めました。
日の出の写真を撮ろうと思っていたのに。太陽が見えないどころか、アラレのようなものが降っています。晴れる筈ではなかったのか?
天気は西からというので、小屋の裏に回ってみました。素人気象予報士の目には天気はすぐに回復しそもないように映りました。
小屋の西は切り立った崖です。西風なので落ちる心配はありませんが、強い風が吹いています。
雲の向こうの頂きはジャンダルムだろうか?
「アイゼンが無い人は登頂、または稜線歩きは無理です」と、山小屋の人から警告が発せられました。
奥穂→吊り尾根→紀美子平→岳沢→上高地を予定していた人たちも一斉に涸沢経由で下山を始めました。
我々はもう少し様子を見ようと7時半まで待ちましたが、小雪も降ってきましたので登頂は断念して下山することにしました。
それほど滑る感じは無いのですが、雪道を下るのは怖い。滑落したら大変なので、慎重に慎重に歩きます。
写真を撮る余裕などなく、絶対安全な場所でしかカメラは出せません。従って、それほど厳しい状況の画像はありません。
難所のザイテングラードを下り、散策路のパノラマコースに入りました。去年は素晴らしい紅葉をしていたナナカマドは枯れ、実は萎んでいます。
昨夜の談話室で聞いた話ですが、40数年間、涸沢の紅葉を撮影している写真家によると今年ほどの酷い紅葉は過去に無かったそうです。
これを聞いた、ある中年男性は、「俺達はラッキーだ。滅多に経験できないことだから」と言って笑いを取っていました。そういえば、似たようなことを八ケ岳の稜線付近で聞いたナ....。
涸沢ヒュッテまで無事に降りてこられたので、名物オデンをつまみに息子とビールで乾杯することにしました。
それにしても、冴えない紅葉、少ないテントで寂しい限りです。